問題 43★★★

毎月一定額の賃借料がかかる工場で、同じ製品の月間の生産量と販売量を これまでの2倍に増やした。この結果として製品1個当たりの原価に 起こることとして、最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア固定費の総額は変わらないので、1個当たりに割り当てられる固定費が減り、原価は下がる。

    正解。賃借料は生産量が2倍になっても総額は同じですが、それを2倍の個数で 分け合うため、1個当たりの負担は半分になります。1個当たりの変動費は 変わらないので、その分だけ1個当たりの原価が下がります。

  2. イ生産量に応じて固定費の総額も2倍になるので、1個当たりの原価は変わらない。

    誤り。生産量に比例して総額が増えるのは変動費です。賃借料のように、 生産量にかかわらず総額が一定の費用を固定費と呼びます。 総額が動くかどうかが、固定費と変動費を分ける目印です。

  3. ウ1個当たりの変動費が生産量に応じて増えるので、原価は上がる。

    誤り。変動費は総額が生産量に比例して増えますが、1個当たりでは 材料費のように一定額です。総額の話と1個当たりの話を取り違えると、 固定費と変動費の振る舞いが逆に見えてしまいます。

  4. エ固定費も変動費も1個当たりでは一定なので、原価は生産量によって変わらない。

    誤り。1個当たりで一定なのは変動費だけです。固定費は総額が一定なので、 個数で割ると1個当たりは生産量が増えるほど小さくなります。 どちらが「総額一定」でどちらが「1個当たり一定」かが要点です。

理解を深めるために

家賃は人数で割り勘する

月10万円の部屋を借りて、そこで作業するとします。 1人で使えば1人当たり10万円ですが、2人で使えば1人5万円、 10人なら1万円です。部屋代そのものは一切変わっていません。

工場の賃借料も同じで、たくさん作るほど1個が背負う金額が小さくなります。 一方、製品1個に使う材料費は、何個作ろうと1個分は同じ金額です。

総額で見るか、1個当たりで見るか

同じ費用でも、見る単位を変えると振る舞いが逆になります。ここが混乱の元です。

費用 総額 1個当たり
固定費(賃借料など) 生産量が変わっても一定 生産量が増えると減る
変動費(材料費など) 生産量に比例して増える 生産量が変わっても一定

「固定費は一定」という言い方は、あくまで総額の話です。 1個当たりで見ると、固定費こそが生産量によって動く費用になります。

なぜこれが経営の判断に効くのか

生産量を増やすと1個当たりの原価が下がるため、同じ売価なら1個当たりの利益が 厚くなります。大量に作れる企業ほど価格を下げても採算が合うのは、この仕組みです。

逆に、注文が減って生産量が落ちると、1個当たりの固定費が重くなって原価が上がります。 設備や店舗を多く抱える事業ほど、この振れが大きくなる点も押さえておいてください。

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