正解:ウ
各選択肢の解説
ア売上高利益率
誤り。売上高に対する利益の割合で、1回の商売でどれだけ厚く儲けたかを表します。 利益の厚みは分かりますが、その利益を生むのにどれだけの資産を使ったかは 現れないため、資産の使い方の効率は測れません。
イ自己資本比率
誤り。総資本のうち返済義務のない自己資本が占める割合で、財務の安全性を見る 指標です。計算に利益が入らないので、稼ぐ力そのものは表しません。 借入れが多いか少ないかを見るための指標です。
ウ総資産利益率
正解。総資産利益率(ROA)は利益を総資産で割った値で、自己資本と他人資本を区別せず、 集めた資金で手に入れた資産全体が生んだ成果を測ります。 同じ利益なら、少ない資産で達成した会社ほど高くなります。
エ資本回転率
誤り。投じた資本が1年間に何回分の売上高を生んだかを表す指標です。 資産の活用度は分かりますが、分子が利益ではなく売上高なので、 売れても儲かっていない状態を見抜けません。
理解を深めるために
ROAは「元手をどれだけ上手に使ったか」
会社は、株主から集めた資金(自己資本)と、銀行などから借りた資金(他人資本)を 合わせて、設備や在庫といった資産に変えています。 その資産がどれだけ利益を生んだかを見るのが**総資産利益率(ROA)**です。
ROA = 利益 ÷ 総資産
同じ1億円の利益を上げていても、20億円の資産を使った会社のROAは5%、 10億円で済ませた会社は10%です。後者のほうが元手を上手に使っています。
ROAは2つの力に分解できる
ROAは、次のように売上高を間に挟むと2つの指標の掛け算になります。
利益 ÷ 総資産 =(利益 ÷ 売上高)×(売上高 ÷ 総資産)
= 売上高利益率 × 資本回転率
つまりROAを上げる道は2通りあります。利益率を厚くする(高付加価値化)か、 回転率を上げる(同じ資産でより多く売る)かです。 高級品を少量売る商売と、薄利で大量に回す商売が、どちらもROAでは比較できます。
似た指標との使い分け
| 指標 | 何を測るか |
|---|---|
| 総資産利益率(ROA) | 資産全体が生んだ利益の効率 |
| 売上高利益率 | 売上に対する利益の厚み |
| 資本回転率 | 資本が何回分の売上に変わったか |
| 自己資本比率 | 総資本に占める返済不要な資金の割合(安全性) |
分母が何かを見れば区別できます。総資産ならROA、自己資本なら自己資本利益率(ROE)、 売上高なら売上高利益率です。借入れを増やして事業を大きくするとROEは上がりやすい 一方、ROAは資産が増える分だけ上がりにくくなります。