問題 38★★☆

F社の経営会議で「うちは資産を寝かせすぎだ」という指摘が出た。 1回の販売でどれだけ厚くもうけたかではなく、投じた資本が1年間に何回分の売上高に 変わったかを回数で表し、資本の使い方の活発さを見る指標はどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア売上高利益率

    誤り。売上高に対する利益の割合で、1回の商売でどれだけ厚くもうけたかを表します。 問題文が除いているのはまさにこの見方で、資本をいくら使ったかは計算に入らないため、 資産が寝ているかどうかは分かりません。

  2. イ自己資本比率

    誤り。総資本のうち返済義務のない自己資本が占める割合で、資本の構成の安全性を 見る指標です。資本を「どう集めたか」は分かりますが、 集めた資本を「どれだけ働かせたか」は表しません。

  3. ウ投資利益率(ROI)

    誤り。特定の投資額に対してどれだけの利益が得られたかを表し、 個々の投資案件の採算を比べるときに使います。分子が利益なので、 売上高を何回分生んだかという回転の考え方とは軸が違います。

  4. エ資本回転率

    正解。売上高を総資本で割った値で、単位は「回」です。 同じ資本でより多くを売れば回転率は上がり、在庫や遊休設備を抱えると下がるため、 資産を寝かせていないかを見る指標になります。

理解を深めるために

回転率は「元手を何回使い回したか」

屋台で10万円分の材料を仕入れ、売り切ってまた仕入れる。これを年に5回繰り返せば、 10万円の元手で50万円を売ったことになります。この「5回」にあたるのが資本回転率です。

資本回転率 = 売上高 ÷ 総資本(回)

売上高12億円、総資本6億円なら2回転です。同じ12億円を売るのに総資本が3億円で 済む会社は4回転で、元手をより活発に働かせています。 **利益率が「厚み」なら、回転率は「速さ」**だと考えると区別しやすくなります。

厚みと速さは両方とももうけにつながる

高級腕時計店は1本あたりの利益は厚いものの、売れる本数が少ないので回転は遅い。 スーパーは1品あたりの利益は薄いが、毎日売れるので回転が速い。 商売の型が違っても、総資産利益率(ROA)で比べると同じ土俵に乗ります。

ROA = 売上高利益率 × 資本回転率

つまり、もうけの効率を上げる道は「厚くする」か「速く回す」かの2通りです。 資産を寝かせているという指摘は、後者が落ちているという意味になります。

似た指標との使い分け

指標 何を測るか 単位
資本回転率 資本が何回分の売上高に変わったか 回
売上高利益率 売上に対する利益の厚み %
投資利益率(ROI) 個別の投資額に対する利益 %
自己資本比率 総資本に占める自己資本の割合 %

分子が売上高で単位が「回」なら回転率、分子が利益で単位が「%」なら利益率系です。 選択肢の中で1つだけ回数を答える指標を探す、という見分け方が使えます。

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