正解:エ
各選択肢の解説
ア売上高利益率
誤り。売上高に対する利益の割合で、1回の商売でどれだけ厚くもうけたかを表します。 問題文が除いているのはまさにこの見方で、資本をいくら使ったかは計算に入らないため、 資産が寝ているかどうかは分かりません。
イ自己資本比率
誤り。総資本のうち返済義務のない自己資本が占める割合で、資本の構成の安全性を 見る指標です。資本を「どう集めたか」は分かりますが、 集めた資本を「どれだけ働かせたか」は表しません。
ウ投資利益率(ROI)
誤り。特定の投資額に対してどれだけの利益が得られたかを表し、 個々の投資案件の採算を比べるときに使います。分子が利益なので、 売上高を何回分生んだかという回転の考え方とは軸が違います。
エ資本回転率
正解。売上高を総資本で割った値で、単位は「回」です。 同じ資本でより多くを売れば回転率は上がり、在庫や遊休設備を抱えると下がるため、 資産を寝かせていないかを見る指標になります。
理解を深めるために
回転率は「元手を何回使い回したか」
屋台で10万円分の材料を仕入れ、売り切ってまた仕入れる。これを年に5回繰り返せば、 10万円の元手で50万円を売ったことになります。この「5回」にあたるのが資本回転率です。
資本回転率 = 売上高 ÷ 総資本(回)
売上高12億円、総資本6億円なら2回転です。同じ12億円を売るのに総資本が3億円で 済む会社は4回転で、元手をより活発に働かせています。 **利益率が「厚み」なら、回転率は「速さ」**だと考えると区別しやすくなります。
厚みと速さは両方とももうけにつながる
高級腕時計店は1本あたりの利益は厚いものの、売れる本数が少ないので回転は遅い。 スーパーは1品あたりの利益は薄いが、毎日売れるので回転が速い。 商売の型が違っても、総資産利益率(ROA)で比べると同じ土俵に乗ります。
ROA = 売上高利益率 × 資本回転率
つまり、もうけの効率を上げる道は「厚くする」か「速く回す」かの2通りです。 資産を寝かせているという指摘は、後者が落ちているという意味になります。
似た指標との使い分け
| 指標 | 何を測るか | 単位 |
|---|---|---|
| 資本回転率 | 資本が何回分の売上高に変わったか | 回 |
| 売上高利益率 | 売上に対する利益の厚み | % |
| 投資利益率(ROI) | 個別の投資額に対する利益 | % |
| 自己資本比率 | 総資本に占める自己資本の割合 | % |
分子が売上高で単位が「回」なら回転率、分子が利益で単位が「%」なら利益率系です。 選択肢の中で1つだけ回数を答える指標を探す、という見分け方が使えます。