問題 39★★★

G社は在庫管理システムに5,000万円を投資した。稼働後の1年間で売上高が2億円増え、 その売上高から得られた利益は1,000万円だった。 この投資の投資利益率(ROI)は何%か。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア5%

    誤り。利益1,000万円を、増えた売上高2億円で割った値です。 これは売上高利益率にあたり、売れた金額に対する利益の厚みを表します。 ROIが知りたいのは投資した5,000万円に見合う成果が出たかどうかです。

  2. イ20%

    正解。ROIは投資によって得られた利益を投資額で割った値なので、 1,000万円÷5,000万円=20%です。 投じた5,000万円が1年で1,000万円を生んだ、という読み方をします。

  3. ウ400%

    誤り。増えた売上高2億円を投資額5,000万円で割った値です。 投資額が4回分の売上高に変わったことを示す回転の考え方で、 本来は「4回」と数える値です。分子が利益ではない点が違います。

  4. エ500%

    誤り。投資額5,000万円を利益1,000万円で割った値で、分子と分母が逆です。 この5という数字は、投資額を利益で回収するのに5年かかることを表します。 率ではなく年数として意味を持つ計算です。

理解を深めるために

ROIは「この案件はもとが取れたか」

ROI(Return On Investment、投資利益率)は、ある投資がその金額に見合う利益を 生んだかを測る指標です。

ROI = 投資によって得られた利益 ÷ 投資額

G社の場合は 1,000万円 ÷ 5,000万円 = 20% です。 会社全体ではなく投資案件ひとつを取り出して評価するのがROIの立ち位置で、 「システムA案とB案のどちらに予算を回すか」といった比較に使います。

数値の取り違えに注意する

この問題には、投資額5,000万円・売上高2億円・利益1,000万円の3つが出てきます。 どの2つを組み合わせるかで、まったく別の指標になります。

  • 利益 ÷ 投資額 = 20%……ROI
  • 利益 ÷ 売上高 = 5%……売上高利益率
  • 売上高 ÷ 投資額 = 4回……回転の考え方
  • 投資額 ÷ 利益 = 5年……投資の回収期間

売上高は「どれだけ売れたか」であって「いくら投じたか」ではありません。 ROIの分母は必ず投資した金額です。

分母で指標を見分ける

指標 分母 見る範囲
投資利益率(ROI) その投資額 個別の案件
総資産利益率(ROA) 総資産 会社全体
自己資本利益率(ROE) 自己資本 会社全体(株主の視点)
売上高利益率 売上高 商売の厚み

ROAとROEが会社全体の成績表なのに対し、ROIは案件ごとの通信簿です。 IT投資の是非を問う場面ではROIが登場すると考えておくとよいでしょう。

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