正解:イ
各選択肢の解説
ア5%
誤り。利益1,000万円を、増えた売上高2億円で割った値です。 これは売上高利益率にあたり、売れた金額に対する利益の厚みを表します。 ROIが知りたいのは投資した5,000万円に見合う成果が出たかどうかです。
イ20%
正解。ROIは投資によって得られた利益を投資額で割った値なので、 1,000万円÷5,000万円=20%です。 投じた5,000万円が1年で1,000万円を生んだ、という読み方をします。
ウ400%
誤り。増えた売上高2億円を投資額5,000万円で割った値です。 投資額が4回分の売上高に変わったことを示す回転の考え方で、 本来は「4回」と数える値です。分子が利益ではない点が違います。
エ500%
誤り。投資額5,000万円を利益1,000万円で割った値で、分子と分母が逆です。 この5という数字は、投資額を利益で回収するのに5年かかることを表します。 率ではなく年数として意味を持つ計算です。
理解を深めるために
ROIは「この案件はもとが取れたか」
ROI(Return On Investment、投資利益率)は、ある投資がその金額に見合う利益を 生んだかを測る指標です。
ROI = 投資によって得られた利益 ÷ 投資額
G社の場合は 1,000万円 ÷ 5,000万円 = 20% です。 会社全体ではなく投資案件ひとつを取り出して評価するのがROIの立ち位置で、 「システムA案とB案のどちらに予算を回すか」といった比較に使います。
数値の取り違えに注意する
この問題には、投資額5,000万円・売上高2億円・利益1,000万円の3つが出てきます。 どの2つを組み合わせるかで、まったく別の指標になります。
- 利益 ÷ 投資額 = 20%……ROI
- 利益 ÷ 売上高 = 5%……売上高利益率
- 売上高 ÷ 投資額 = 4回……回転の考え方
- 投資額 ÷ 利益 = 5年……投資の回収期間
売上高は「どれだけ売れたか」であって「いくら投じたか」ではありません。 ROIの分母は必ず投資した金額です。
分母で指標を見分ける
| 指標 | 分母 | 見る範囲 |
|---|---|---|
| 投資利益率(ROI) | その投資額 | 個別の案件 |
| 総資産利益率(ROA) | 総資産 | 会社全体 |
| 自己資本利益率(ROE) | 自己資本 | 会社全体(株主の視点) |
| 売上高利益率 | 売上高 | 商売の厚み |
ROAとROEが会社全体の成績表なのに対し、ROIは案件ごとの通信簿です。 IT投資の是非を問う場面ではROIが登場すると考えておくとよいでしょう。