問題 50★★☆

H社では、入社3年以内に退職する社員が増えている。 そこでキャリア相談窓口の設置や柔軟な勤務制度の導入を進め、 社員が働き続けたいと思える職場をつくることにした。この取組みを何と呼ぶか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. アタレントマネジメント

    誤り。社員のスキルや経歴を全社で把握し、配置・育成・登用に生かす 人材活用の考え方です。結果として定着につながることはありますが、 主眼は適材適所の実現であって、辞めさせないことではありません。

  2. イリテンション

    正解。リテンション(retention)は「保持」の意味で、 自社の人材が辞めずに働き続けられるようにする取組みを指します。 待遇の改善やキャリア支援、職場環境の整備が具体策です。

  3. ウワークシェアリング

    誤り。一人当たりの労働時間を短くして仕事を分け合い、 雇用そのものを維持する取組みです。雇用を守る点は似ていますが、 不況時などに人員削減を避けるための手段であり、目的が違います。

  4. エリスキリング

    誤り。事業の変化で新たに必要となった職務に就くための学び直しです。 成長を実感できて定着に役立つ面はありますが、 ねらいは新しい職務への対応であり、離職を防ぐことではありません。

理解を深めるために

採るより、辞めさせない

人材が足りないとき、企業はまず採用を増やそうとします。 しかし、採った人数と同じだけ辞めていけば、社員数は増えません。 しかも採用と育成にかけた費用は回収できず、 残った社員の負担が増えてさらに退職を招きます。

リテンションは、この出口の側に手を打つ考え方です。 在職している人材を引き止め、働き続けてもらうための取組みを指します。

具体的に何をするのか

  • 処遇の見直し(賃金、評価の納得感)
  • 働き方の柔軟化(時差出勤、テレワーク、短時間勤務)
  • キャリアの見通しを示す(面談、相談窓口、社内公募)
  • 上司との関係や職場環境の改善

給与を上げるだけでは止まらないことが多く、 「この会社にいれば成長できる」と思えるかが大きく効くとされています。

似た取組みとの切り分け

用語 ねらい
リテンション 在職している人材の定着(辞めさせない)
タレントマネジメント 人材情報を生かした適材適所の配置・育成
ワークシェアリング 仕事を分け合って雇用の総数を維持する
リスキリング 新しい職務に就くための学び直し

試験での見分け方

「定着」「離職率の低下」「引き止め」という言葉が出てきたらリテンションです。 採用に関する用語と並べて出題されるので、 今いる人に向けた取組みか、これから採る人に向けた取組みかで切ると迷いません。 辞めた人に再び声をかけるアルムナイ採用は、リテンションではなく採用側の話です。

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