問題 66★☆☆

J社は人的資本経営の方針として、社員が病気でないことにとどまらず、 身体的・精神的・社会的に満たされた良好な状態にあることを目指すと掲げた。 この「満たされた良好な状態」を表す用語として、最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. アウェルビーイング

    正解。ウェルビーイングは、身体・心・人とのつながりの面がそろって満たされた状態を指します。 病気がないことだけでなく、生き生きと暮らせているかまで含む広い概念です。

  2. イワークエンゲージメント

    誤り。ワークエンゲージメントは、仕事に対して活力・熱意・没頭が満ちている心理状態です。 どちらも人の「状態」を表すため混同しやすいですが、対象は仕事への向き合い方に限られます。 社会的なつながりを含む生活全体の良好さとは範囲が違います。

  3. ウワークライフバランス

    誤り。ワークライフバランスは、仕事と家庭・地域などの生活との調和を図ることです。 満たされた状態につながる考え方ですが、時間や役割の配分の話であり、 身体・精神・社会の面がそろって良好な状態そのものを指す言葉ではありません。

  4. エ健康経営

    誤り。健康経営は、従業員の健康管理を経営の視点で捉え、戦略的に実践する取組みです。 会社が「行う施策」を指す言葉であり、問題文が問う社員の「状態」そのものではありません。 目指す状態がウェルビーイング、そこへ向かう手段の一つが健康経営です。

理解を深めるために

「病気でない」の先にある、満たされた状態

ウェルビーイング(well-being)は、身体的・精神的・社会的に良好な状態を指します。 世界保健機関(WHO)憲章が示す健康の考え方、「病気でないとか弱っていないということではなく、 肉体的にも精神的にも社会的にも、すべてが満たされた状態」に由来する言葉です。

体調に問題はなくても、職場で孤立していたり、毎日に張り合いがなかったりすれば、 ウェルビーイングが高いとはいえません。

なぜ企業が気にするのか

人的資本経営では、社員を「費用」ではなく価値を生む「資本」とみなします。 社員が心身ともに充実し、周囲とよい関係を築けていれば、力を発揮しやすく、定着もしやすくなります。 そのため、ウェルビーイングを経営の目標として掲げる企業が増えています。

混同しやすいものとの違い

用語 何を指すか
ウェルビーイング 身体・精神・社会の面で満たされた良好な状態(生活全体)
ワークエンゲージメント 仕事に対する活力・熱意・没頭が満ちた心理状態(仕事に限る)
ワークライフバランス 仕事と生活の調和(時間や役割の配分)
健康経営 従業員の健康管理を経営の視点で戦略的に行う取組み(手段)

見分けるときは、「状態」か「取組み」か、範囲が「仕事」か「生活全体」かの2点を確認します。 状態で、かつ生活全体に及ぶものがウェルビーイングです。

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