問題 52★★☆

H社は全社を開発部・製造部・営業部・総務部に分けており、扱う製品が複数あっても、 設計は開発部、生産は製造部、販売は営業部がまとめて担当している。 このように仕事の種類を基準に部門を分けた組織形態はどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア事業部制組織

    誤り。製品や地域といった事業の単位で部門を括り、その中に開発から販売までの 機能をひととおり持たせる形です。H社は製品が複数あっても部門を分けておらず、 括りの基準が事業ではなく仕事の種類である点が違います。

  2. イカンパニー制組織

    誤り。事業の単位を社内の独立した会社のように扱い、資産や投資の権限まで 委ねる形です。事業部制をさらに徹底したものと位置づけられ、やはり括りの 基準は事業です。H社は権限を事業ごとに分けてもいません。

  3. ウ職能別組織

    正解。開発・製造・営業・総務のように、仕事の種類(職能)ごとに全社を 部門に分けた形です。同じ仕事をする人が一か所に集まるので、専門性を高め やすく、人や設備の重複も避けられます。

  4. エマトリックス組織

    誤り。仕事の種類と製品などの二つの軸を掛け合わせ、一人が両方の部門に属して 双方から指示を受ける形です。H社の軸は仕事の種類の一つだけで、担当者が 二つの系統から指示を受ける状態にはなっていません。

理解を深めるために

同じ仕事をする人を一か所に集める

職能別組織は、「何をする仕事か」で全社を部門に分けた形です。学校にたとえると、 数学の先生は数学科、英語の先生は英語科に所属し、どの学年の授業も担当する状態に 近いといえます。学年ごとに先生を分けるのではなく、教科で分けるわけです。

この分け方の長所と短所

  • 同じ専門の人が集まるため、技能やノウハウが蓄積しやすい
  • 設備や人員を部門で共有でき、重複した投資を避けられる
  • 半面、部門は自分の担当工程しか見ないため、製品ごとの損益がつかみにくい
  • 部門をまたぐ調整は経営層に集まり、意思決定が遅くなりやすい

中小規模の企業や、製品の種類が少ない企業で採用されやすい形です。事業が増えて 製品ごとの採算を見たくなると、事業部制組織への移行が検討されます。

括り方で見分ける

組織形態 部門を括る基準
職能別組織 開発・製造・営業などの仕事の種類
事業部制組織 製品・地域などの事業の単位(中に各機能をそろえる)
カンパニー制組織 事業の単位。社内の独立した会社のように権限を委ねる
マトリックス組織 仕事の種類と製品などの二つの軸を掛け合わせる

試験では組織図や部門名の並びが示されます。部門名が仕事の種類で並んでいれば 職能別組織、製品名や地域名で並んでいれば事業部制組織と読み取れます。

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