正解:ウ
各選択肢の解説
ア事業部制組織
誤り。製品や地域といった事業の単位で部門を括り、その中に開発から販売までの 機能をひととおり持たせる形です。H社は製品が複数あっても部門を分けておらず、 括りの基準が事業ではなく仕事の種類である点が違います。
イカンパニー制組織
誤り。事業の単位を社内の独立した会社のように扱い、資産や投資の権限まで 委ねる形です。事業部制をさらに徹底したものと位置づけられ、やはり括りの 基準は事業です。H社は権限を事業ごとに分けてもいません。
ウ職能別組織
正解。開発・製造・営業・総務のように、仕事の種類(職能)ごとに全社を 部門に分けた形です。同じ仕事をする人が一か所に集まるので、専門性を高め やすく、人や設備の重複も避けられます。
エマトリックス組織
誤り。仕事の種類と製品などの二つの軸を掛け合わせ、一人が両方の部門に属して 双方から指示を受ける形です。H社の軸は仕事の種類の一つだけで、担当者が 二つの系統から指示を受ける状態にはなっていません。
理解を深めるために
同じ仕事をする人を一か所に集める
職能別組織は、「何をする仕事か」で全社を部門に分けた形です。学校にたとえると、 数学の先生は数学科、英語の先生は英語科に所属し、どの学年の授業も担当する状態に 近いといえます。学年ごとに先生を分けるのではなく、教科で分けるわけです。
この分け方の長所と短所
- 同じ専門の人が集まるため、技能やノウハウが蓄積しやすい
- 設備や人員を部門で共有でき、重複した投資を避けられる
- 半面、部門は自分の担当工程しか見ないため、製品ごとの損益がつかみにくい
- 部門をまたぐ調整は経営層に集まり、意思決定が遅くなりやすい
中小規模の企業や、製品の種類が少ない企業で採用されやすい形です。事業が増えて 製品ごとの採算を見たくなると、事業部制組織への移行が検討されます。
括り方で見分ける
| 組織形態 | 部門を括る基準 |
|---|---|
| 職能別組織 | 開発・製造・営業などの仕事の種類 |
| 事業部制組織 | 製品・地域などの事業の単位(中に各機能をそろえる) |
| カンパニー制組織 | 事業の単位。社内の独立した会社のように権限を委ねる |
| マトリックス組織 | 仕事の種類と製品などの二つの軸を掛け合わせる |
試験では組織図や部門名の並びが示されます。部門名が仕事の種類で並んでいれば 職能別組織、製品名や地域名で並んでいれば事業部制組織と読み取れます。