問題 61★★☆

ある製造業の企業が工場の新設を決めた。建設に必要な資金を銀行借入と増資の どちらで賄うかを比べ、返済や配当の負担まで含めて資金の計画を立てている。 この活動が主にあたる経営管理はどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア資産管理

    誤り。資産管理は工場や設備などの資産そのものを取得し、保守し、処分するまでを 管理するものです。工場の話なので選びたくなりますが、設問が扱っているのは 工場を建てるためのお金の出どころです。物を管理するか、お金を管理するかで切ります。

  2. イ財務管理

    正解。必要な資金をどこから、どの条件で調達し、どう運用するかを計画・統制するのが 財務管理です。借入か増資かの比較と、返済や配当の負担の見積りはその中心です。

  3. ウ人事管理

    誤り。人事管理は従業員の採用・配置・評価・処遇などを扱うものです。新工場では 人員の手当ても必要になりますが、設問の活動は資金の調達方法の比較であり、 人という経営資源には触れていません。

  4. エ情報管理

    誤り。情報管理は社内外の情報を集めて整理・保管し、必要な人が活用できるように しつつ漏えいを防ぐものです。資金計画の資料も情報ではありますが、管理の対象が 資金そのものである点で財務管理にあたります。

理解を深めるために

経営資源ごとに管理の名前がつく

企業の経営資源は、よく「ヒト・モノ・カネ・情報」の4つに分けられます。経営管理も この分け方に沿って、人事管理・資産管理・財務管理・情報管理と呼び分けます。 どの管理かを見分けるには、何を扱っているかを問題文から拾えば足ります。

工場の新設を例にすると、同じ出来事が4つの管理にまたがります。

  • 建設資金を借入で賄うか増資で賄うかを決める … 財務管理(カネ)
  • 完成した工場の設備を台帳に載せ、保守し、いずれ廃棄する … 資産管理(モノ)
  • 工場で働く人を採用し、配置する … 人事管理(ヒト)
  • 生産データや設計図を保管し、必要な部署に共有する … 情報管理(情報)

財務管理と資産管理が紛らわしい理由

借入で得たお金は工場という資産に姿を変えるため、両者は一続きに見えます。 しかし財務管理が見ているのは資金の調達と運用、資産管理が見ているのは 取得した物の維持と処分です。お金の出どころと負担を論じていれば財務管理、 物の状態や使い方を論じていれば資産管理と判断します。

混同しやすいものとの違い

管理 対象の経営資源 代表的な活動
財務管理 カネ 資金の調達方法の選択、資金繰り、運用
資産管理 モノ 設備・建物の取得、保守、処分
人事管理 ヒト 採用、配置、評価、処遇
情報管理 情報 情報の収集・保管・共有、漏えい防止

試験では、場面に出てくる名詞(工場、従業員、データ)に引きずられず、 その活動が何を動かしているかで選ぶと迷いません。

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