正解:ア
各選択肢の解説
ア企業の社会的責任(CSR)
正解。企業は社会の一員として、株主だけでなく幅広い利害関係者(ステークホルダー)に 責任を負うという考え方です。法令を守ることにとどまらず、環境や地域、人権への配慮まで含みます。
イコンプライアンス(法令遵守)
誤り。法令や社内規則、社会的な規範を守ることです。CSRの土台の一部なので混同しやすいですが、 「決まりを守る」ことに範囲が限られ、地域貢献や環境負荷の低減のような自主的な取組みまでは指しません。
ウコーポレートガバナンス(企業統治)
誤り。経営者が株主などの利益に反する経営をしないよう、取締役会や監査役などで 経営を監視・規律する仕組みです。対象は「会社の外への責任」ではなく「経営者の統制」です。
エSDGs(持続可能な開発目標)
誤り。2015年に国連で採択された、2030年までに達成をめざす17の国際目標です。 企業がCSRの方向づけに使うことはありますが、目標そのものであり、企業の責任の考え方ではありません。
理解を深めるために
CSRは「社会の一員としての責任」
会社は、株主から預かったお金で利益を上げるためだけに存在しているわけではありません。 従業員を雇い、取引先と商売をし、地域に工場や店舗を構え、資源を使って環境に影響を与えています。 そうである以上、利益を上げることに加えて、関わる人たちや社会全体に対しても責任を負う、 という考え方が**企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)**です。
責任の相手はステークホルダー全体
CSRで責任を果たす相手は、株主だけではありません。
- 従業員(安全で働きやすい職場)
- 顧客(安全な製品、誠実な情報提供)
- 取引先(公正な取引、サプライチェーン上の労働環境への配慮)
- 地域社会・環境(地域貢献、温室効果ガスや廃棄物の削減)
法令を守ることは最低限の前提で、その上に「法律で求められていなくても社会のために行う取組み」が 乗っている、と捉えると整理しやすくなります。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 何を指すか |
|---|---|
| 企業の社会的責任(CSR) | 利害関係者や社会全体に対して企業が負う責任という考え方 |
| コンプライアンス | 法令・社内規則・社会規範を守ること(CSRの土台の一部) |
| コーポレートガバナンス | 経営者を監視・規律する仕組み |
| SDGs | 国連が定めた2030年までの17の国際目標 |
試験では、範囲の広さで見分けます。「決まりを守る」だけならコンプライアンス、 「経営者を見張る」ならコーポレートガバナンス、 環境・地域・従業員などへ幅広く責任を果たすという考え方ならCSRです。