問題 60★★★

3月決算の上場企業が、4〜6月(第1四半期)の業績を開示しようとしている。 2024年4月に施行された改正金融商品取引法の下で、この開示に用いるものとして最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア四半期報告書

    誤り。以前は金融商品取引法に基づき四半期ごとに提出していましたが、決算短信と内容が重なるため、 2024年4月施行の改正で廃止されました。現在は提出する書類として存在しません。

  2. イ半期報告書

    誤り。金融商品取引法に基づき、事業年度の前半6か月分(3月決算なら4〜9月)について提出する書類です。 第2四半期の時点で出すもので、第1四半期の開示には使いません。

  3. ウ四半期決算短信

    正解。四半期報告書の廃止後、第1・第3四半期の開示は証券取引所の規則に基づく 四半期決算短信に一本化されました。法律ではなく取引所のルールに基づく開示です。

  4. エ有価証券報告書

    誤り。金融商品取引法に基づき、1事業年度全体について事業年度終了後3か月以内に提出する書類です。 年に1度の確定版で、四半期ごとの開示には使いません。

理解を深めるために

第1・第3四半期は「決算短信だけ」になった

上場企業は、1年に1度の決算だけでなく、3か月ごとの業績も開示しています。 以前はこの四半期ごとの開示が二重になっていました。証券取引所の規則に基づく四半期決算短信と、 金融商品取引法に基づく四半期報告書を、ほぼ同じ内容で両方出していたのです。

この重複を解消するため、2024年4月施行の改正金融商品取引法で四半期報告書が廃止されました。 第1・第3四半期の開示は四半期決算短信に一本化されています。

1年の開示の流れ(3月決算の場合)

  • 第1四半期(4〜6月):四半期決算短信
  • 第2四半期(4〜9月の半期):半期報告書(金融商品取引法)と決算短信
  • 第3四半期(4〜12月):四半期決算短信
  • 事業年度末(4〜3月):決算短信、続いて有価証券報告書(金融商品取引法)

半期と年度末は法律に基づく書類が残り、その間の四半期は取引所の規則による開示が担う、 という分担です。廃止された四半期報告書の代わりに、半期報告書の提出が上場企業に義務づけられました。

混同しやすいものとの違い

書類 根拠 対象期間
四半期決算短信 証券取引所の規則 第1・第3四半期
四半期報告書 金融商品取引法(2024年4月に廃止) かつての各四半期
半期報告書 金融商品取引法 事業年度の前半6か月
有価証券報告書 金融商品取引法 1事業年度

古い参考書では四半期報告書が現役の書類として載っていることがあります。 第1・第3四半期は決算短信、半期は半期報告書、年度は有価証券報告書と、期間で対応づけて覚えましょう。

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