問題 68★★☆

キャッシュフロー計算書は、現金の動きを営業活動・投資活動・財務活動の3つに分けて示す。 次の取引のうち、投資活動によるキャッシュフローに記載されるものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア販売する商品の仕入代金を、仕入先に支払った。

    誤り。商品の仕入代金の支払いは、本業の売り買いに伴う現金の動きなので 営業活動によるキャッシュフローに入ります。お金を払う点は設備の購入と同じですが、 将来のための資産への支出ではなく、日々の商売そのものの支出です。

  2. イ工場で使う生産設備を購入し、代金を支払った。

    正解。生産設備のような固定資産の取得は、将来の事業に向けた投資にあたるため、 投資活動によるキャッシュフローに記載されます。

  3. ウ運転資金に充てるため、銀行から借入れをした。

    誤り。借入れは資金を調達する取引なので、財務活動によるキャッシュフローに入ります。 借りた資金を何に使うかではなく、お金をどこから集めたかで区分が決まります。

  4. エ株主に対して、前期の利益から配当金を支払った。

    誤り。配当金の支払いは、資金を出してくれた株主への還元なので 財務活動によるキャッシュフローに入ります。「投資家へ払う」ため投資活動と 取り違えやすいですが、資金の出し手とのやり取りは財務活動です。

理解を深めるために

現金の動きを「稼ぐ・使う・集める」に分ける

キャッシュフロー計算書は、一定期間に現金がどれだけ入り、どれだけ出たかを示す表です。 その動きを3つの活動に分けて記載します。

  • 営業活動:本業で稼ぐ・払う(売上代金の入金、仕入代金や給与の支払い)
  • 投資活動:将来のために使う・回収する(設備の購入や売却、有価証券の取得)
  • 財務活動:資金を集める・返す(借入れと返済、株式の発行、配当金の支払い)

区分の決め手は「何のためのお金か」

設備の購入も仕入代金の支払いも、現金が出ていく点は同じです。 違うのは、その支出が日々の商売のためか、何年も使う資産を手に入れるためかです。 生産設備は貸借対照表の固定資産になる資産なので、その取得は投資活動に入ります。

一方、借入れや配当は「資金の出し手とのやり取り」です。 銀行や株主との間で資金を集めたり返したりする動きは、すべて財務活動にまとめられます。

取引と区分の対応

取引 区分
生産設備の購入代金の支払い 投資活動
商品の仕入代金の支払い 営業活動
銀行からの借入れ 財務活動
株主への配当金の支払い 財務活動

試験では、取引を見て「本業か」「固定資産などの取得・売却か」「資金の調達・返済か」の順に当てはめると迷いません。 配当金の支払いを投資活動と取り違えるのが典型的な誤りです。

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