問題 12★☆☆

地方のバス会社では、利用者の減少が続く路線で、高齢の住民から「病院や買物に 行く手段がなくて困る」という声が寄せられている。既存の概念にとらわれずに アイディアを考える行動として、最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア路線と時刻表はそのままにして、運賃を下げることで利用者を呼び戻す案を考える。

    誤り。運賃の引下げは工夫の一つですが、「決まった路線を決まった時刻に走る」という これまでの形は変えていません。既存の枠の中で条件を調整しているだけで、住民の 困り事に合った移動の形を考えるところまで踏み出していません。

  2. イ「決まった路線を走らせる」前提から離れ、住民が出かけたい時と場所から手段を考える。

    正解。行動例「顧客・ユーザーのニーズや課題に対応するためのアイディアを、既存の 概念・価値観にとらわれずに考えている」に当たります。自社の当たり前ではなく、 住民の困り事を出発点に置いています。

  3. ウ同じ課題を抱える他県のバス会社で成果が出た増便の取組を、そのまま取り入れる。

    誤り。他社の成功例を参考にするのは有益ですが、そのまま持ち込むのは別の前例に 従っているだけです。地域や利用者の事情が違えば結果も変わります。自分たちの利用者の 課題から発想しているかどうかで区別します。

  4. エ利用者が少ない路線を維持し続けるのは採算上難しいため、廃止の手続を進める。

    誤り。採算の判断は必要ですが、「路線バスとして成り立つか」という従来の物差しだけで 結論を出しています。住民の移動の困り事は残ったままで、ニーズに応えるアイディアを 考える行動になっていません。

理解を深めるために

「何をするか」ではなく「誰の何に応えるか」から考える

バス会社にとっての常識は「決まった路線を、決まった時刻に走らせる」ことです。 その前提のままだと、打ち手は運賃・便数・路線の廃止といった、枠の中の調整に限られます。

一方、住民が求めているのは「バスに乗ること」ではなく「病院や買物に行けること」です。 ニーズの側から考え直すと、手段の選択肢が広がります。 予約に応じて走らせる、 乗る場所を柔軟にする、店や病院と組む、といった発想が出てくるのはそこからです。

なぜ既存の概念から離れる必要があるのか

  • 既存の形は、過去の利用状況に合わせて作られたもの。前提が変われば合わなくなる
  • 枠の中の調整は分かりやすいが、困り事そのものを解消できるとは限らない
  • 他社の前例も、自分たちの利用者に合うかは別に確かめる必要がある

常識にとらわれない発想は、奇抜さを競うことではありません。 顧客・ユーザーの課題を起点に置き、自分たちの当たり前を一度外して考えることです。

考え方の違い

考え方 起点
前提を外し、住民の移動のニーズから手段を考える 利用者の課題
路線はそのままで運賃を下げる 既存の運行の形
他社の増便策をそのまま取り入れる 他社の前例
採算が合わないので廃止する 従来の採算の物差し

試験では、選択肢の起点が「自分たちの従来の形」なのか「顧客・ユーザーの課題」なのかを 見分けてください。

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