問題 35★★☆

2週間のスプリントを終えた開発チームが、これからふりかえりを行う。 今回のスプリントでは作業の遅れが出た。ふりかえりの場の使い方として 最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア完成した機能を利用者に見せて内容を説明し、受け入れてよいかどうかの判断をその場でもらう。

    誤り。これは成果物を見せて反応を得る場で、ふりかえりとは別に設けられます。 どちらもスプリントの終わりに行うため混同しがちですが、見る対象が違います。 前者は作ったもの、ふりかえりは作り方のほうです。

  2. イ遅れの原因になった作業を洗い出し、担当していたメンバーに次から気をつけるよう個別に伝える。

    誤り。原因を個人に帰す使い方で、ふりかえりが避けるべき典型です。責任を追及される場に なると、都合の悪い事実が出てこなくなり、改善の材料そのものが失われます。 問うのは人ではなく、遅れを生んだ進め方です。

  3. ウ大きな問題が起きた回に限って場を設けることとし、問題のなかった回は開発の作業時間に充てる。

    誤り。ふりかえりは問題が起きたときの対処ではなく、周期ごとに必ず行う点検です。 うまくいった回にも「なぜうまくいったか」という学びがあります。 不定期にすると、改善の積み重ねも見えなくなります。

  4. エこの期間に起きた事実をチームで出し合い、次の周期で試す進め方の改善を決めて持ち帰る。

    正解。ふりかえりは、成果物ではなく自分たちの進め方を定期的に見直す場です。 事実を共有し、次の周期で試す改善まで決めて終えるので、改善がその場の感想で 終わりません。KPTはこの場で使う道具のひとつです。

理解を深めるために

点検するのは「作ったもの」ではなく「作り方」

長距離を走るチームが、区間ごとに立ち止まって「給水の間隔は適切だったか」 「先頭の交代はうまくいったか」と確かめるようなものです。 ふりかえりは、周期の終わりにチームの進め方そのものを見直す場で、 成果物の出来を判定する場ではありません。

原則にも書かれている

アジャイルソフトウェア開発宣言の背後にある12の原則の12番目は、 チームがもっと効率を高められるかを定期的に振り返り、それに基づいて 自分たちのやり方を最適に調整する、という趣旨の項目です。 「定期的に」「自分たちのやり方を」という2点が、ふりかえりの性格を決めています。

  • 定期的に行う。問題が起きた回だけの臨時の会合ではない
  • 対象は自分たちのやり方。個人の責任追及ではない
  • 次の周期で試す改善を決めて終える。感想の共有で止めない

混同しやすい場との違い

場 見る対象
ふりかえり チームの進め方。次に試す改善を決める
成果物を見せる場 完成したもの。利用者の反応を得る
日々の短い確認 その日の予定と障害。進め方の見直しではない
KPT 場の名前ではなく、ふりかえりで使う整理の道具

試験では「誰の何を見直すのか」で見分けられます。 人を責める選択肢と、成果物の受入れ判断をする選択肢は、どちらも別のものです。

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