正解:エ
各選択肢の解説
ア完成した機能を利用者に見せて内容を説明し、受け入れてよいかどうかの判断をその場でもらう。
誤り。これは成果物を見せて反応を得る場で、ふりかえりとは別に設けられます。 どちらもスプリントの終わりに行うため混同しがちですが、見る対象が違います。 前者は作ったもの、ふりかえりは作り方のほうです。
イ遅れの原因になった作業を洗い出し、担当していたメンバーに次から気をつけるよう個別に伝える。
誤り。原因を個人に帰す使い方で、ふりかえりが避けるべき典型です。責任を追及される場に なると、都合の悪い事実が出てこなくなり、改善の材料そのものが失われます。 問うのは人ではなく、遅れを生んだ進め方です。
ウ大きな問題が起きた回に限って場を設けることとし、問題のなかった回は開発の作業時間に充てる。
誤り。ふりかえりは問題が起きたときの対処ではなく、周期ごとに必ず行う点検です。 うまくいった回にも「なぜうまくいったか」という学びがあります。 不定期にすると、改善の積み重ねも見えなくなります。
エこの期間に起きた事実をチームで出し合い、次の周期で試す進め方の改善を決めて持ち帰る。
正解。ふりかえりは、成果物ではなく自分たちの進め方を定期的に見直す場です。 事実を共有し、次の周期で試す改善まで決めて終えるので、改善がその場の感想で 終わりません。KPTはこの場で使う道具のひとつです。
理解を深めるために
点検するのは「作ったもの」ではなく「作り方」
長距離を走るチームが、区間ごとに立ち止まって「給水の間隔は適切だったか」 「先頭の交代はうまくいったか」と確かめるようなものです。 ふりかえりは、周期の終わりにチームの進め方そのものを見直す場で、 成果物の出来を判定する場ではありません。
原則にも書かれている
アジャイルソフトウェア開発宣言の背後にある12の原則の12番目は、 チームがもっと効率を高められるかを定期的に振り返り、それに基づいて 自分たちのやり方を最適に調整する、という趣旨の項目です。 「定期的に」「自分たちのやり方を」という2点が、ふりかえりの性格を決めています。
- 定期的に行う。問題が起きた回だけの臨時の会合ではない
- 対象は自分たちのやり方。個人の責任追及ではない
- 次の周期で試す改善を決めて終える。感想の共有で止めない
混同しやすい場との違い
| 場 | 見る対象 |
|---|---|
| ふりかえり | チームの進め方。次に試す改善を決める |
| 成果物を見せる場 | 完成したもの。利用者の反応を得る |
| 日々の短い確認 | その日の予定と障害。進め方の見直しではない |
| KPT | 場の名前ではなく、ふりかえりで使う整理の道具 |
試験では「誰の何を見直すのか」で見分けられます。 人を責める選択肢と、成果物の受入れ判断をする選択肢は、どちらも別のものです。