正解:ウ
各選択肢の解説
ア管理者は関与をやめ、メンバーがそれぞれ自分の判断で取りかかりたい作業を選ぶようにする。
誤り。自己組織的なチームを「指示する人がいない状態」と取り違えた進め方です。目的や 制約が共有されないまま各自が動くと、重複や抜けが起きます。決めるのはチームですが、 何のために決めるのかは示される必要があります。
イ最も経験の長いメンバーをリーダーに任命し、作業の割り当てと手順の決定をその人に任せる。
誤り。決める人が管理者から別の1人に移っただけで、チームで決める形にはなっていません。 経験者の判断は貴重ですが、1人に集めると他のメンバーの学びが止まります。 移すのは権限であって、権限を持つ人ではありません。
ウ達成したい目的と守るべき制約をチームに示し、作業の分担や進め方はチームで話し合って決める。
正解。自己組織的なチームとは、目的と制約は共有されたうえで、どう進めるかを自分たちで 決められるチームを指します。決める範囲が手元にあるからこそ、 ふりかえりで出た改善をその場で試せます。
エ作業の割り当ては管理者が続けたうえで、メンバーからの改善提案を定期的に書面で受け付ける。
誤り。意見を聞く仕組みはありますが、決めるのは引き続き管理者です。提案が採用されるか 分からない状態では、チームは自分たちの進め方に責任を持てません。 意見を言えることと、決められることは別です。
理解を深めるために
「何のために」は渡され、「どうやって」は自分たちで決める
料理の得意な人たちに「予算1万円で10人分の夕食を19時までに」とだけ伝えれば、 献立も分担も自分たちで決められます。逆に食材の切り方まで指示されると、 その場の工夫が効きません。自己組織的なチームは、目的と制約は共有したうえで、 やり方の決定をチームの手元に置いた状態を指します。
原則が言っていること
アジャイルソフトウェア開発宣言の背後にある12の原則の11番目は、 最良のアーキテクチャ・要求・設計は自己組織的なチームから生み出される、 という趣旨の項目です。同じく5番目には、意欲に満ちた人々を集め、 環境と支援を与えて仕事が終わるまで信頼する、という項目があります。
- 目的と制約は外から示される。ここが無いと勝手な行動になる
- 分担・手順・段取りはチームが決める
- 決めた結果はふりかえりで自分たちが見直す
似た状態との違い
| 状態 | 決める人 |
|---|---|
| 自己組織的なチーム | 目的は共有され、進め方はチームが決める |
| 指示待ちのチーム | 管理者。チームは割り当てを実行するだけ |
| 特定の1人への集中 | 経験の長いメンバー1人 |
| 各自が勝手に動く状態 | 全員がばらばらに。目的が共有されていない |
試験では「自由にやらせること」と取り違えた選択肢が必ず置かれます。 目的と制約が共有されているかどうかが、見分けどころです。