問題 37★★★

アジャイル開発に取り組む部署で、これまで管理者が全ての作業を細かく割り当てて いた。アジャイルの原則にある「自己組織的なチーム」に近づけるための進め方として 最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア管理者は関与をやめ、メンバーがそれぞれ自分の判断で取りかかりたい作業を選ぶようにする。

    誤り。自己組織的なチームを「指示する人がいない状態」と取り違えた進め方です。目的や 制約が共有されないまま各自が動くと、重複や抜けが起きます。決めるのはチームですが、 何のために決めるのかは示される必要があります。

  2. イ最も経験の長いメンバーをリーダーに任命し、作業の割り当てと手順の決定をその人に任せる。

    誤り。決める人が管理者から別の1人に移っただけで、チームで決める形にはなっていません。 経験者の判断は貴重ですが、1人に集めると他のメンバーの学びが止まります。 移すのは権限であって、権限を持つ人ではありません。

  3. ウ達成したい目的と守るべき制約をチームに示し、作業の分担や進め方はチームで話し合って決める。

    正解。自己組織的なチームとは、目的と制約は共有されたうえで、どう進めるかを自分たちで 決められるチームを指します。決める範囲が手元にあるからこそ、 ふりかえりで出た改善をその場で試せます。

  4. エ作業の割り当ては管理者が続けたうえで、メンバーからの改善提案を定期的に書面で受け付ける。

    誤り。意見を聞く仕組みはありますが、決めるのは引き続き管理者です。提案が採用されるか 分からない状態では、チームは自分たちの進め方に責任を持てません。 意見を言えることと、決められることは別です。

理解を深めるために

「何のために」は渡され、「どうやって」は自分たちで決める

料理の得意な人たちに「予算1万円で10人分の夕食を19時までに」とだけ伝えれば、 献立も分担も自分たちで決められます。逆に食材の切り方まで指示されると、 その場の工夫が効きません。自己組織的なチームは、目的と制約は共有したうえで、 やり方の決定をチームの手元に置いた状態を指します。

原則が言っていること

アジャイルソフトウェア開発宣言の背後にある12の原則の11番目は、 最良のアーキテクチャ・要求・設計は自己組織的なチームから生み出される、 という趣旨の項目です。同じく5番目には、意欲に満ちた人々を集め、 環境と支援を与えて仕事が終わるまで信頼する、という項目があります。

  • 目的と制約は外から示される。ここが無いと勝手な行動になる
  • 分担・手順・段取りはチームが決める
  • 決めた結果はふりかえりで自分たちが見直す

似た状態との違い

状態 決める人
自己組織的なチーム 目的は共有され、進め方はチームが決める
指示待ちのチーム 管理者。チームは割り当てを実行するだけ
特定の1人への集中 経験の長いメンバー1人
各自が勝手に動く状態 全員がばらばらに。目的が共有されていない

試験では「自由にやらせること」と取り違えた選択肢が必ず置かれます。 目的と制約が共有されているかどうかが、見分けどころです。

前の問題へ次の問題へ