問題 8★★☆

電子機器メーカーのD社は、次の四つの取組みを進めている。 このうち、プロダクトイノベーションに当たるものとして最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア組立工程にロボットを導入し、同じ製品を少ない人手と短い時間で作れるようにした。

    誤り。これはプロセスイノベーションの例です。どちらも「新しい技術を入れる」話なので 混同しがちですが、変わったのは作り方で、顧客の手に渡る製品そのものは同じです。 革新の対象が製品か、工程かで区別します。

  2. イ自社だけでは解けない技術課題を公開し、大学や新興企業から解決策を募った。

    誤り。これはオープンイノベーションの進め方です。新製品づくりにつながることもありますが、 この記述が示しているのは「社外の知恵を取り込む」という進め方であり、 何を生み出したかではありません。進め方と成果の種類は別の軸です。

  3. ウ汗の成分から体調の変化を知らせる、市場になかった腕時計型の機器を発売した。

    正解。これまでにない機能をもつ製品を生み出して市場に出しているので、 製品そのものが新しくなるプロダクトイノベーションに当たります。

  4. エ製品の売り方を、一括での買い切りから毎月定額で使える形に切り替えた。

    誤り。これはビジネスモデルの変革です。顧客の払い方が変わるので新しく見えますが、 製品そのものも作り方も変わっていません。変わったのは、収益を得る仕組みです。

理解を深めるために

「何が新しくなったか」で見分ける

イノベーションは、どこが新しくなったかで呼び方が変わります。 レストランにたとえると、これまでにない新メニューを出すのがプロダクトイノベーション、 同じメニューを厨房の機械化で早く安く出せるようにするのがプロセスイノベーションです。

二つの分類の考え方

  • プロダクトイノベーション — 新しい機能や性能をもつ製品・サービスを生み出す。顧客から見て「物が変わる」
  • プロセスイノベーション — 製品を作る工程や届け方を革新し、品質・コスト・速さを改善する。顧客から見て製品は同じ

この二つは、革新の「対象」による分類です。一方、オープンイノベーションは 社外の資源をどう使うかという「進め方」の話なので、分類の軸が違います。 社外と組んで新製品を作れば、オープンイノベーションでありプロダクトイノベーションでもある、 ということが起こります。

混同しやすいものとの違い

用語 何が変わるか
プロダクトイノベーション 製品・サービスそのもの
プロセスイノベーション 作り方・届け方(製品は同じ)
オープンイノベーション 進め方(社外の技術やアイデアを活用)
ビジネスモデルの変革 収益を得る仕組み(売り方・課金の形)

試験では、取組みの記述から「顧客に渡る物が変わったか」を確かめると、 プロダクトかプロセスかをすぐに切り分けられます。

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