問題 10★☆☆

オープンイノベーションの説明として、最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア研究から製品化までを自社の研究所に集中させ、技術を社外に出さずに進める。

    誤り。これはクローズドイノベーション(自前主義)の説明で、オープンイノベーションが 対比の相手として示した従来型の進め方です。技術の囲い込みで優位を保つ考え方で、 社外との知識のやり取りを前提にしない点が正反対です。

  2. イソフトウェアのソースコードを公開し、誰でも利用や改変、再配布をできるようにする。

    誤り。これはオープンソースソフトウェア(OSS)の説明です。「オープン」という言葉が 共通するため混同されます。OSSはソフトウェアの利用許諾の形態であり、 企業が革新を生むための戦略全般を指す言葉ではありません。

  3. ウ最小限の機能の製品を早く市場に出し、顧客の反応から学んで改良を繰り返す。

    誤り。これはリーンスタートアップの説明です。どちらも新規事業の進め方として 語られますが、リーンスタートアップの主眼は顧客の反応による検証と学習であり、 社外の技術やアイデアを取り込むことではありません。

  4. エ社外の技術やアイデアを取り込み、自社の技術も社外で生かして新たな価値を生む。

    正解。社内と社外の間で知識や技術を意図的に行き来させ、 自社だけでは生めない革新を生み出す考え方です。取り込む方向と外に出す方向の両方を含みます。

理解を深めるために

自前主義から「社外と組む」へ

かつての大企業は、優秀な研究者を自社に集め、研究から製品化までを社内で完結させるのが 強さの源でした。しかし技術の変化が速くなり、必要な知識が社外に散らばるようになると、 全部を自前でそろえるのは時間もお金もかかりすぎます。そこで社外と知恵を出し合う発想が生まれました。

二つの方向がある

オープンイノベーションは、2003年に経営学者のヘンリー・チェスブロウが提唱した考え方です。 知識の流れには二つの向きがあります。

  • 取り込む(インバウンド) — 大学との共同研究、スタートアップとの協業、技術課題の公募など
  • 外に出す(アウトバウンド) — 自社では使わない特許のライセンス供与、社内技術のスピンアウトなど

「外から取り込むこと」だけだと思われがちですが、自社の技術を社外で生かす方向も含む点が要注意です。

混同しやすいものとの違い

用語 中身
オープンイノベーション 社内外で知識や技術を行き来させて革新を生む戦略
クローズドイノベーション 研究から製品化までを自社内で完結させる従来型
オープンソースソフトウェア ソースコードを公開し、利用・改変・再配布を認めるソフトウェア
リーンスタートアップ 最小限の製品で顧客の反応を検証しながら事業を作る

試験では「オープン」という言葉につられずに、社内と社外の間で知識が流れているかどうかで見分けます。

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