問題 15★★☆

スタートアップ企業の資金調達先のうち、ベンチャーキャピタルの説明として 最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. アインターネット上で事業の構想を公開し、賛同した多数の個人から少額ずつ資金を集める。

    誤り。これはクラウドファンディングの説明です。スタートアップの資金調達手段として 並べて紹介されるため混同しやすいのですが、出し手は不特定多数の個人で、 一人ひとりの金額も小さい点が、集めた資金をまとめて出資するVCと異なります。

  2. イ事業に必要な資金を貸し付け、決められた期日までに利息を付けて返済してもらう。

    誤り。これは銀行などによる融資の説明です。企業にお金を出す点は同じですが、 融資は返済と利息を受け取る貸付けで、株式は持ちません。実績の乏しい創業期の 企業は融資を受けにくく、そこを補うのが出資による資金調達です。

  3. ウ投資家から集めた資金で未上場の企業に出資し、上場などの際に株式を売って利益を得る。

    正解。ベンチャーキャピタルは、投資家から集めた資金(ファンド)で未上場の 成長企業の株式を取得します。返済は求めず、株式公開やM&Aで株式を売却して 得る差益を狙います。

  4. エ成功した起業家などの個人が、自分の資金で創業間もない企業に出資し、助言も行う。

    誤り。これはエンジェル投資家の説明です。未上場の企業に出資して株式を持つ点は ベンチャーキャピタルと同じです。違いは、個人が自分のお金で出資するか、 組織が投資家から集めた資金を運用して出資するかです。

理解を深めるために

「貸す」のではなく「株主になって、育てて、売る」

ベンチャーキャピタル(VC)は、未上場の成長企業に出資する投資会社や投資ファンドです。 銀行がお金を「貸す」のに対し、VCはお金を出して株式を受け取り、その会社の株主になります。

たとえるなら、まだ無名の選手と早い段階で契約し、練習環境を整え、活躍して 価値が上がったところで移籍させる代理人のような存在です。 企業が大きく育つほど、持っている株式の価値も上がります。

なぜベンチャーキャピタルが必要なのか

創業間もない企業は、担保も売上の実績も乏しく、銀行から融資を受けにくいのが普通です。 しかし、魔の川や死の谷を越えて事業化するには、開発や量産に大きなお金がかかります。

VCの仕組みは次のとおりです。

  • 資金を集める — 年金基金や事業会社などの投資家から資金を集め、ファンドを組む
  • 出資する — ファンドの資金で、成長が見込める未上場企業の株式を取得する
  • 育てる — 企業価値が上がるほど自分の利益も増えるので、経営への助言や人材の紹介も行う
  • 回収する — 株式公開(IPO)やM&Aの際に株式を売却し、差益を投資家に分配する

出資先がすべて成功するとは限らないため、複数の企業に分散して出資し、一部の大きな成功で全体の利益を確保するのが一般的な考え方です。

混同しやすいものとの違い

資金の出し手 お金の出し方と見返り
ベンチャーキャピタル 集めた資金で出資。株式の売却益を狙う
エンジェル投資家 個人が自分の資金で出資。創業初期が中心
クラウドファンディング 多数の個人が少額ずつ。見返りは返礼品など形式により異なる
銀行などの融資 貸付け。返済と利息を受け取り、株式は持たない

見分けるときは「株式を持つか(出資か貸付けか)」と「誰のお金か(個人か、集めた資金か)」の二つを確かめます。

前の問題へ次の問題へ