正解:エ
各選択肢の解説
アダーウィンの海
誤り。これは事業化した製品が、競合他社との生存競争を勝ち抜いて産業として 定着するまでの関門です。発売後の伸び悩みという点は似ていますが、 C社は競合が少なく、つまずいている原因は競争ではなく利用者層の違いです。
イイノベーションのジレンマ
誤り。これは優良な大企業が既存顧客の要望に応え続けるうちに、 破壊的な新技術への対応が遅れて新興企業に市場を奪われる現象です。 新製品が広がらないという問題ではなく、既存の強者が敗れる理由の説明です。
ウプロダクトライフサイクルの衰退期
誤り。これは市場全体の需要が減り、製品の売上が縮小していく段階です。 「販売が伸び悩む」ことから連想しやすいのですが、C社の製品は一般の利用者に まだ行き渡っておらず、需要が一巡して落ちている段階ではありません。
エキャズム
正解。新しもの好きの初期採用者(アーリーアダプター)と、実績を重視する 前期多数派(アーリーマジョリティ)の間には、求めるものの違いによる深い溝があります。 ここで普及が止まる状況をキャズムと呼びます。
理解を深めるために
「新しいから欲しい」人と「みんなが使っているから安心」な人の間の溝
新しい製品は、まず新しもの好きの人たちに受け入れられます。ところが、その先の 一般の人たちは「新しいこと」ではなく「ちゃんと使えるか」「ほかの人も使っているか」 で判断します。求めるものがまるで違うため、初期の成功がそのまま次の層に つながらず、普及がぴたりと止まることがあります。この溝がキャズムです。
なぜ溝ができるのか
イノベータ理論では、消費者を採用の早い順に5つの層に分けます。 ムーアは、ハイテク製品ではこのうち次の2層の間に特に大きな断絶があると指摘しました。
- アーリーアダプター(約13.5%) — 他社や他人より先に、新しさや変化を求めて採用する
- アーリーマジョリティ(約34%) — 実績や評判、使いやすさを確かめてから採用する
アーリーアダプターの支持を集めても、市場全体の2割に届きません。 キャズムを越えて多数派に届くかどうかが、製品が普及するかの分かれ目になります。 越えるには、導入事例を示す、対象を絞って実績を積むなど、 慎重な層の不安を取り除く働きかけが必要です。
混同しやすいものとの違い
| 概念 | 何が起きているか |
|---|---|
| キャズム | 初期採用者から多数派へ普及が進まない |
| ダーウィンの海 | 事業化した製品が競争を勝ち抜けない |
| イノベーションのジレンマ | 大企業が既存顧客を優先して新技術に敗れる |
| プロダクトライフサイクルの衰退期 | 市場の需要そのものが縮小する |
試験では、伸び悩みの原因が「利用者層の違い」ならキャズム、「競合との戦い」なら ダーウィンの海、と原因の書き方で見分けます。