問題 20★★☆

技術経営(MOT)でいう「ダーウィンの海」の説明として、最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア研究で得た成果が、製品開発のテーマとして取り上げられずに終わる関門。

    誤り。これは研究段階と開発段階の間にある魔の川の説明です。 同じMOTの関門なので混同しやすいのですが、魔の川は最初の関門で、 製品がまだ市場に出ていない段階の話です。

  2. イ事業化した製品が、競合との生存競争を勝ち抜いて産業として根付くまでの関門。

    正解。市場に出した製品が、競合他社や代替品との競争にさらされ、 適者生存を勝ち抜いて産業として定着できるかを問われる、事業化段階と 産業化段階の間の関門です。

  3. ウ画期的な製品が、初期採用者から多数派の消費者へ広がる手前で止まる溝。

    誤り。これはイノベータ理論に基づくキャズムの説明です。どちらも発売後の 壁ですが、キャズムは利用者層の違いによる普及の断絶で、 ダーウィンの海は競合との生存競争です。

  4. エ既存の市場に多くの企業がひしめき、価格などで激しく競い合っている状態。

    誤り。これはレッドオーシャンの説明です。「海」と「競争」が共通するため 取り違えやすいのですが、レッドオーシャンは市場の状態を表す言葉で、 技術が産業になるまでの段階の関門を表す言葉ではありません。

理解を深めるために

発売はゴールではなく、生存競争の始まり

苦労して製品を世に出しても、それで事業が続く保証はありません。売れると分かれば 競合が参入し、似た製品や安い代替品が現れます。進化論で環境に適した生物だけが 生き残るように、この競争を生き抜いた製品だけが産業として根付きます。 この最後の関門がダーウィンの海です。

三つの関門のうちの、最後の一つ

技術経営(MOT)では、技術が産業になるまでを四つの段階と三つの関門でとらえます。

研究 →〔魔の川〕→ 開発 →〔死の谷〕→ 事業化 →〔ダーウィンの海〕→ 産業化

  • 魔の川 — 研究成果が開発テーマに選ばれるか
  • 死の谷 — 試作品が量産・販売に必要な資金や体制を得られるか
  • ダーウィンの海 — 事業化した製品が競争を勝ち抜き、産業として定着できるか

「川」「谷」「海」と、先へ進むほど広く厳しくなる並びで覚えると順序を間違えません。

混同しやすいものとの違い

言葉 何を表すか
魔の川 研究 → 開発の関門
ダーウィンの海 事業化 → 産業化の関門(競争を生き残れるか)
キャズム 初期採用者 → 多数派の間で普及が止まる溝
レッドオーシャン 競合がひしめく既存市場の状態

試験では、ダーウィンの海は「段階の関門」、レッドオーシャンは「市場の状態」、 キャズムは「利用者層の溝」と、何を表す言葉なのかで見分けます。

前の問題へ次の問題へ