問題 19★★☆

社内の勤怠管理システムのサーバに待機系を用意する。利用部門とは「故障時は翌営業日までに 再開できればよい」と合意しており、費用はできるだけ抑えたい。サーバの調達には通常2週間かかる。 待機系の構成として最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア待機系を本番系と同じ状態で常に動かし、故障を検知したらすぐに処理を引き継がせる。

    誤り。これはホットスタンバイです。数秒から数分で切り替えられますが、待機系を 常に動かし続けるぶん、電力や保守、データの同期に費用がかかります。 翌営業日までの再開でよいという合意なら、そこまでの速さに費用をかける理由がありません。

  2. イ2台のサーバで同じ処理を同時に行い、結果を照合しながら運用する。

    誤り。これはデュアルシステムで、処理結果の正しさまで確かめたい場面で使う構成です。 2台とも本番として動かすので、待機系を置く構成の中でも費用は最も大きくなります。 再開に1日の猶予がある勤怠管理には過剰です。

  3. ウ待機系は用意せず、故障が起きた時点で代わりのサーバを発注して入れ替える。

    誤り。費用は最も小さく見えますが、調達に通常2週間かかるので、 合意した「翌営業日まで」に間に合いません。費用を抑えることと、 合意した再開時間を守ることの両方を満たす必要があります。

  4. エ待機系を停止した状態で用意しておき、故障時に起動して設定とデータを戻す。

    正解。コールドスタンバイです。起動とデータの復元に時間はかかりますが、 機器が手元にあるので数時間から1日程度で再開でき、平常時は動かさないぶん費用も抑えられます。

理解を深めるために

「どれだけ待てるか」で待機系の温度を決める

待機系の構成は、速く戻せるほど費用がかかります。消防車にたとえると、 エンジンをかけて隊員が乗った状態で待つのがホットスタンバイ、 車庫に入れておき出動の連絡があってから準備するのがコールドスタンバイです。 どちらが正しいかではなく、合意した再開までの時間に間に合う範囲で、 費用の小さいほうを選びます。

なぜコールドスタンバイで足りるのか

問題文の条件を一つずつ当てはめます。

  • 再開は翌営業日まででよい: 起動や復元に数時間かかっても間に合う
  • 費用は抑えたい: 待機系を常に動かす構成は避けたい
  • 調達に2週間かかる: 故障してから機器を買うのでは間に合わない

3つ目の条件があるので「何も用意しない」は外れ、1つ目と2つ目の条件から 常時稼働の構成も外れます。残るのが、機器だけを用意しておくコールドスタンバイです。 どの水準の可用性を、どの費用で確保するかを利用部門の要求から決めるのは、 サービス可用性管理の仕事です。

混同しやすいものとの違い

構成 待機系の状態 再開までの時間と費用
コールドスタンバイ 停止して用意しておく 時間はかかるが費用は小さい
ホットスタンバイ 本番系と同じ状態で動かす すぐ切り替わるが費用は大きい
デュアルシステム 2台とも同じ処理を実行 結果の照合までできるが費用は最大
待機系なし 用意しない 調達期間がそのまま停止期間になる

試験では、許される停止時間と費用の条件が問題文に書かれます。 その両方を満たす構成を選び、「速いほど良い」と決めつけないことが見分けどころです。

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