正解:イ
各選択肢の解説
ア仕入先に、従業員の長時間労働や児童労働がないことの報告を求める。
誤り。これは人権や労働環境に配慮した調達で、CSR調達と呼ばれる取組みの 一部です。CSR調達は環境も含む広い考え方ですが、この取組み自体は 環境負荷ではなく人の扱いを見ています。何に配慮しているかで切り分けます。
イ仕入先に指定の有害化学物質を含まない証明を求め、満たす部品を採用する。
正解。グリーン調達は、環境への負荷が小さい部品や製品を優先して 選ぶ取組みです。有害物質を含まないことを採用の条件にするのは、 その代表的な例です。
ウ同じ部品の仕入先を複数確保し、災害時にも供給が止まらないようにする。
誤り。これは供給途絶に備えるリスク分散で、事業継続計画(BCP)の 考え方です。仕入先の選び方に関わる点は似ていますが、目的は事業を 止めないことで、環境負荷の低減ではありません。
エ部品の在庫をもたず、必要なときに必要な量だけ納入してもらう。
誤り。これはジャストインタイム(JIT)の考え方で、在庫の無駄を減らす 生産方式です。仕入先との取引の仕方を変える点で似ていますが、 狙いは在庫コストの削減で、環境配慮を選定の条件にするものではありません。
理解を深めるために
「何を買うか」に環境の物差しを加える
スーパーで同じ値段の洗剤が2つあれば、環境にやさしいと書かれた方を 選ぶ人もいるでしょう。企業が部品や製品を仕入れるときに、価格や品質に加えて 環境への負荷の小ささを選ぶ条件にするのがグリーン調達です。
企業ではどう行われるか
- 仕入先に、有害化学物質を含まないことの証明や含有情報の提出を求める
- 省エネルギー性能が高い製品や、再生材を使った製品を優先する
- 環境マネジメントに取り組んでいる仕入先を優先する
自社の製品は多くの部品からできているので、仕入れの段階で環境配慮を 条件にすることで、製品全体の環境負荷を下げられます。 国や地方公共団体にも、環境物品等を優先して調達する取組みが求められています。
混同しやすいものとの違い
| 取組み | 仕入先に求めること | 目的 |
|---|---|---|
| グリーン調達 | 環境負荷の小さい部品・製品 | 環境への配慮 |
| CSR調達(人権・労働の面) | 適正な労働環境 | 人権への配慮 |
| 仕入先の複数化(BCP) | 代替の供給手段 | 事業の継続 |
| ジャストインタイム | 必要な時に必要な量の納入 | 在庫の削減 |
試験では、取組みの「目的」が環境への配慮かどうかで判断すると、 仕入先にまつわる似た取組みと取り違えません。