正解:ウ
各選択肢の解説
ア文化庁に登録の申請をして受理された時点で、初めて著作権が発生する。
誤り。著作権法にも登録の制度はありますが、それは権利を第三者に主張しやすく するためのもので、権利が生まれる条件ではありません。登録しなくても著作権は すでに発生しています。
イ作品に©マークと著作者名、発行年を表示することが権利発生の条件になる。
誤り。©表示は、かつて表示を権利の条件としていた国があった名残で、今も慣習と して使われています。日本を含むベルヌ条約の加盟国では、表示がなくても著作権は 認められます。
ウ創作した時点で自動的に発生し、登録や出願などの手続は必要ない。
正解。著作権は、著作物を創作した時点で何の手続もなく発生します。これを無方式 主義といい、出願と登録によって初めて権利が生じる産業財産権との最も大きな違い になっています。
エ特許庁に出願して審査を通過することで、著作権としての権利が認められる。
誤り。特許庁に出願して審査・登録を受けるのは、特許権や意匠権などの産業財産権 です。同じ知的財産権でも手続の要否が正反対なので、両者を混ぜて覚えないように 注意します。
理解を深めるために
描いた瞬間に、もう権利がある
著作権は、申請も登録も審査も要らず、著作物を創作した時点で自動的に発生します。 これを無方式主義と呼びます。子どもが描いた絵にも、個人のブログ記事にも、書いた その瞬間から著作権があるということです。逆に言えば、インターネット上で見つけた 画像や文章に©表示がなくても、誰のものでもない素材ではありません。
なぜ手続が要らないのか
著作物は日々おびただしい数が生まれます。すべてに出願と審査を求めると、手続だけで 制度が回らなくなり、創作の妨げにもなります。また著作権は、同じ表現に後からたどり 着いた人を排除するものではなく、他人の表現をまねすることを止める権利です。そのため、 先に出願した人に独占を与える産業財産権のような仕組みを必要としません。
なお著作権法の登録制度(実名の登録、第一発行年月日の登録など)は、後から誰が著作者 かを争ったときに証明しやすくするためのもので、権利発生の条件ではありません。
混同しやすいものとの違い
| 権利 | 権利が発生するとき |
|---|---|
| 著作権 | 創作した時点(手続不要) |
| 特許権・実用新案権 | 特許庁への出願を経て設定登録されたとき |
| 意匠権・商標権 | 特許庁への出願を経て設定登録されたとき |
試験では「登録しないと著作権は主張できないか」という形でよく問われます。 答えはいいえで、登録の要否こそが著作権と産業財産権を分ける最大の目印です。